ダニエル書7章 の視点から見た「獣」の姿

出典(第一~四の獣の図): DVD「女の一生」ABC.MEDIA   

ダニエル書7:9~28

なお見ていると、/王座が据えられ/「日の老いたる者(→永遠の神)」がそこに座した。その衣は雪のように白く/その白髪(はくはつ)は清らかな羊の毛のようであった。その王座は燃える炎/その車(→神の臨在を表す)は燃える火/その前から火の川が流れ出ていた。幾千人が御前に仕え/幾万人が御前に立った(LB=リビング・バイブル:何百万の御使いが神様に仕えており、何億という人が神様の前に立たされて、さばきを待っていました)。

裁き主は席に着き/巻物(→各人の善行と悪行が記録されている。出エジプト記32:32、詩編56:9、イザヤ書65:6、マラキ書3:16)が繰り広げられた(→神の裁きがなされる前に、天の記録が確かめられる)。

さて、その間にもこのは尊大なことを語り続けていたが、ついにそのは殺され、死体は破壊されて燃え盛る火に投げ込まれた。他の獣は権力を奪われた※6が、それぞれの定めの時まで生かしておかれた(LB:さらに、よく見ていると、あの残忍な第四の動物が殺され、体を焼かれてしまいました。全能の神様に対して尊大に振る舞い、その小さな角を誇っていたからです。残りの三頭の動物は、王国を召し上げられたものの、しばらくは生きのびることを許されました)。

夜の幻をなお見ていると、/見よ、「人の子」(→イエス・キリスト)のような者が天の雲に乗り/「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み/権威、威光、王権を受けた。諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え/彼の支配はとこしえに続き/その統治は滅びることがない(LB:それで、どの国民もみな、この方に聞き従うようになりました。この方の権威は永遠で、決して終わることがありません。その国は滅びることがないのです)。

わたしダニエルは大いに憂い、頭に浮かんだこの幻に悩まされた。そこ(→王座のそば)に立っている人の一人(→幻を解釈するために遣わされた天使、または神に仕えていた「幾万人」の一人を指すと思われる→7:10。)に近づいてこれらのことの意味を尋ねると、彼はそれを説明し、解釈してくれた。

「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である。しかし、いと高き者の聖者らが王権を受け、王国をとこしえに治めるであろう(LB:いと高き神〈エル・エルヨン〉の国民が、代々限りなく世界を治めるようになる)。」

更にわたしは、第四の獣について知りたいと思った。

これは他の獣と異なって、非常に恐ろしく、鉄の歯と青銅のつめをもち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじったものである。その頭には十本の角(①フランク〈フランス〉、②ランゴバルド(ロンバルド)〈イタリアの一部〉、③ブルグント〈スイス〉、④スエヴィ〈ポルトガル〉、⑤ヴァンダル〈北アフリカ〉、⑥西ゴート〈スペイン〉、⑦アングロ・サクソン〈イギリス〉、⑧東ゴート〈イタリア〉、⑨アレマン〈ドイツ〉、⑩ヘルリー〈イタリアの一部〉)があり、更に一本の角が生え出たので、十本の角のうち三本が抜け落ちた。その角には目があり、また、口もあって尊大なことを語った。これは、他の角よりも大きく見えた。見ていると、この角は聖者らと闘って勝ったが、やがて、「日の老いたる者」が進み出て裁きを行い、いと高き者の聖者らが勝ち、時が来て王権を受けたのである(LB:しかし、その勝利も、永遠の神様が来て法廷を開き、神様の国民の正しさを立証して、彼らに全世界を治める権威をお与えになるまでのことでした)。

さて、その(→王座のそばに立っている)人はこう言った。

第四の獣は地上に興る第四の国(LB:〔一般にはローマ帝国〕)/これはすべての国に異なり/全地を食らい尽くし、踏みにじり、打ち砕く十の角はこの国に立つ十人の王/そのあとにもう一人の王が立つ彼は十人の王と異なり、三人の王を倒す(LB:この王は十人の王よりも残忍で、その中の三人の王を打ち倒してしまう)。彼はいと高き方に敵対して語り/いと高き方の聖者らを悩ます。彼は時と法を変えようとたくらむ。聖者らは彼の手に渡され/一時期二時期半時期※7がたつ(LB:神様の国民も、三年半の間、この王の手中にあって、どうすることもできない)。

やがて裁きの座が開かれ/彼はその権威を奪われ/滅ぼされ、絶やされて終わる(LB:だが、神様が来て、正義の法廷を開き、この残忍な王からすべての主権を取り去り、完全に滅ぼし尽くす)。天下の全王国の王権、権威、支配の力は/いと高き方の聖なる民に与えられ/その国はとこしえに続き/支配者はすべて、彼らに仕え、彼らに従う。」

ここでその言葉は終わった(LB:夢はそこで終わりました)。

(目を覚ますと)わたしダニエルは大層恐れ悩み、顔色も変わるほどであった。

しかし、わたしはその言葉を心に留めた(夢で見たことは、だれにも話しませんでした)。

※1 ベルシャツァルはナボニドス(在位:BC556~539)の長男。ベルシャツァルは正式な王ではなく、父ナボニドスが不在の間、王の代理(共同統治)をしていた。BC553年に父ナボニドスがアラビアのティマに遠征するのに伴い王の代理(共同統治)をした。

※2 古代バビロニアのマルドゥク(古代メソポタミア神話の特にバビロニア神話などに登場する男神)神話の特徴で、大海は地中海ではなく、バビロン神話で神に対する深淵のことである。

※3 年表
・BC549年、小王国アンシャン第7代王キュロス2世がメディア王国を滅ぼし、アケメネス朝建国。
・BC547年、キュロス2世がリディア(リュディア)を滅ぼす。
・BC539年、キュロス2世が新バビロニアを滅ぼす。
・BC525年、カンビュセス2世がエジプトを併合しオリエントを統一する。

※4 ペルシア戦争:アケメネス朝ペルシア帝国とギリシア都市国家連合との戦争。BC492年から3回にわたって、ペルシアがギリシアを征服するために起こした。一時、ペルシアはアラナイを占領したが、BC480年のサラミスの海戦、翌年のプラタナイの戦で敗北。最終的な平和条約はBC449年に締結された。

※5 ①ローマ教皇を指す。②反キリスト、特にパレスチナの覇権をBC175年から164年まで握ったセレウコス朝のアンティオコス4世エピファネスを指すとも考えられる。エピファネスはユダヤ人に対して徹底した宗教弾圧-すべてをギリシャ化、安息日などの廃止-を開始した。エピファネスはユダヤにギリシアの神のゼウス像を建て、ユダヤの伝統的な宗教行事を禁止し、従わない者たちを処刑した。これはイスラエル・ユダヤ民族がそれまでの歴史で体験した最大の宗教迫害だった。

※6 第一から第三の王国は権力を奪われただけだったが、第四の諸国は神の容赦ない裁きを受けた。この小さな角が「燃え盛る火に投げ込まれた」とは、アンティオコス4世エピファネスに対する神の裁判と火刑を指すとも考えられる。

※7 1年+2年+半年=3年半 (1+2+0.5)年×360日/年=1260日→1260年

★PDF:四頭の獣の幻(ダニエル書7章):神の視点から見た「獣」の姿
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