正常性バイアス(過信) 

人間には何かが起こるたびにいちいち敏感になっていると精神的に疲れてしまうので、そのようなストレスを回避するために「自分は大丈夫」と思い込む、“脳”の働き、“心”の平安を守る作用が備わっています。これは、日々の生活の中で生じる予期せぬ変化や新しい事象に、心が敏感に反応し疲弊しないために備わった働きです。

これを「正常性バイアス(normalcy bias)」といい、心理学用語です。今では、医療用語としても使われています。バイアスとは、「偏り、偏見、傾向」という意味です。

人間は、一刻も早くその場を立ち去らなければならない非常事態(早めの避難をしなければならない状態)であるにもかかわらず、この“脳”の防御作用(=正常性バイアス)によって、その認識が妨げられ、結果として、生命の危険にさらされる状況を招く状態になってしまう場合があります。

よくこのような言葉を聞きます。「今まで、経験したことがない。」「混乱もあり、すぐに避難できなかった。」「あれほど巨大な津波が来るとは想像できなかった」。

これらはすべてこの「正常性バイアス」の働きによって起こったことと思われます。危険な状態に接していても、「自分は大丈夫だろう」(=正常性バイアスの働き)という思いです。

イザヤ書46:12
わたしに聞け、心のかたくなな者よ/恵みの業から遠く離れている者よ。