天  使
天使は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典や伝承に登場する神の使いである。
㊟聖書に登場する天使は、❶セラフィム、❷ケルビム、❸大天使、❹天使のみです。

上位三隊 「父」の階層 「熾天使」・「智天使」・「座天使

▶第一階級 天使の中でも最高位のセラフィムSeraphim(熾天使)
熾天使は数多く存在する天使の中で最も位階の高い天使であり、神に一番近いとされている天使で、「熾」という字が表す通り、体が炎に包まれるほどの情熱と愛を有している。
→熾天使は翼を全部で6枚有しており、2枚で天を駆り、残り4枚でそれぞれ顔と脚を隠している姿が特徴。またその手には”サンクトゥス”(聖なるかな)の歌詞を刻んだ炎の短剣か旗を持っている。神の次に汚れなく清らかな存在なので、一介の天使たちは熾天使に直接接触することが許されていない。
→セラフィム(イザヤ書6:2、6:6に登場する)

▶第二階級 エデンの園における番人ケルビムCherubim(智天使)
智天使は2番目に位階の高い天使であり、エデンの園で生命の樹に実った禁断の果実を食した「アダム」と「エヴァ」を楽園から追放させた天使で、エデンの園における番人の役割も担っている。
→「智」という字の通り天の世界で最も優れた知識を有しており、人間・獅子・牛・鷲のそれぞれ異なる4つの顔と4つの翼が特徴。また、智天使の傍らには常に車輪があって、四方八方どこへでも赴くことができたので、目的地まで神を乗せて運ぶ役割を兼ねた「乗り物」としての一面もある。
→ケルビムが登場する67の聖句

▶第三階級 神を乗せる戦車スローンズThrones、またはオファニムOfanim(座天使)
座天使は天使の中で位階が3番目に高く、神の玉座を運ぶ尊厳と正義の天使で、そのシンボルは”火車”。しかし役職上、実際に神の玉座を運ぶのはケルビムであり、オファニムは戦車など実戦上の役目を果たした。戦車となって神を乗せる役割を持つ。
複数の眼を持った燃え盛る車輪という、天使の中ではやや異質な容姿をしている。

中位三隊 「子」の階層 上位三隊から受けた神のお告げを下位三隊に伝える役割を持ち、位階の高い順から、天使を監視する「主天使(ドミニオンズDominions)」・奇跡を起こす力を持つ「力天使(ヴァーチューズVirtues)」・悪魔と戦う「能天使(パワーズPowers)」がいる。

下位三隊 聖霊」の階層 上位・中位から授かった神のお告げを人間に伝える役目が持つ。
▶人間の統治を手助けする権天使(プリンシパリティーズPrincipalities)は7番目の位階に属する。
▶人間にとって最も身近な大天使(アークエンジェルズArchangels)
大天使は下から2番目の位階となる天使ですが、力を持つ人の手によって人間界へ呼び出されることも。時として自ら現れることもあるので、私たちにとって最も身近な天使である。人間界の要人に守護天使を遣わせたり、人間に対して様々な分野における神からのお告げを伝えたりと、神と人間のメッセンジャー役ともいえる存在。また、悪魔と対峙した際には能天使と共に戦うこともある。
→創造主である神に対して謀反を起こし(ダニエル書14:12)、自ら堕天使となった「ルシファーLucifer」(悪魔・堕天使の長であるサタン・悪魔の別名)は、天使たちの中で最も美しい十二枚の翼を持った多くの天使を率いる大天使長であった。
→天使のリーダーミカエル(大天使長のひとりミカエル=ダニエル書10:13、天使長ミカエル=同10:21、大天使長ミカエル=同12:1、大天使ミカエル=ユダの手紙1:9、ミカエル=黙示録12:7)
→神の言葉を伝えるガブリエル(ガブリエル=ダニエル書8:16、9:21、ルカによる福音書1:19、天使ガブリエル=ルカによる福音書1:26)
→他に、癒しの「ラファエル」(聖書外典ないし第二正典のトビト書)、学問の助け「ウリエル」(聖書外典の第四エズラ書)
▶普段から人間の傍にいる天 使(エンジェルズAngels)

※上記の聖句は、聖書研究ソフト「聖書Navi Active」により検索、抽出しています。