Ireland’s Call(アイルランドの叫び)
ラグビー日本代表(世界ランキング9位)、ラグビーワールドカップ1次リーグ第2戦で、優勝候補のアイルランド(同2位)を19‐12で破る大金星を挙げた(2019.09.28、写真:日本経済新聞)。
優勝候補の一角に挙げられる強豪アイルランドは、「アイルランド共和国」と「イギリス領北アイルランド」が一体となった統一チームだ。
アイルランドは元々、グレートブリテン島の西に位置するアイルランド島にある国だった。カトリック教徒の多い南部とプロテスタントの多い北部とで、長きに渡って宗教的・政治的な紛争を繰り返して来た。
1922年に南部はアイルランド自由国として分裂し、1949年にイギリス連邦から離れ、アイルランド共和国として完全に独立した。
1998年に北アイルランド和平合意が成立した後も、互いに敵対感情を抱いている人は多い。
そんな宗教的・政治的混乱がある中でも、ずっと1つであり続けたのが、ラグビー代表チームで「統一アイルランド」として国際大会に出場している。
ここで問題となるのが、国歌斉唱だ。アイルランド共和国は「Amhran na bhFiann(兵士の歌)」、北アイルランドはイギリスの「God Save the Queen」が国歌。ここで、1995年に作られたのがラグビー代表チーム歌「Ireland’s Call(アイルランドの叫び)」だ。