無知の知
「私が知っているのは、自分が何も知らないということだけだ。」
「自分自身が無知であることを知っている人間は、自分自身が無知であることを知らない人間より賢い。」
「汝自らを知れ。」
自分は無知であることを自覚し、その自覚を持って真の知を得て、正しく行動せよ、という意味です。
哲学の祖とも呼ばれる古代ギリシアの哲学者ソクラテス(その思想は弟子のプラトンやその弟子のアリストテレスなどの著作により受け継がれている)の言葉です。
全知全能の神だけが知者(sophos)である。だから、私たちは知者でない、いかにわかっていないかを自覚しなければならない。それがゆえに私たちは、「知(sophia)」を求める有限的存在であると、説きました。
極論を言えば、「試験にいつまでも合格できない人」の理由は、これである。「そんなこと、分かっている。」と思っているだけ(思い込み)、つまり、分かっているつもりで、基本の部分が分かってないのです。聞きかじりの知識だけで薄っぺらな話をする人もこの類であろう。
「知らないことは知らないと思う」。
何をするにも、すべて、初心になり、基本をきちんと学び、押さえ、先走りせず前に進む必要があることをこの言葉は教えてくれています。注意したいものです。
ソクラテスの言葉
「よりよく生きる道を探し続けることが、最高の人生を生きることだ。」
「賢者は複雑なことをシンプルに考える。」
明日のことを誇るな。一日のうちに何が生まれるか知らないのだから。
(箴言27章1節)
愚者は労苦してみたところで疲れるだけだ。都に行く道さえ知らないのだから。
(コヘレトの言葉10章15節)
※ソクラテスの画像は、 ウィキペディア「ソクラテス」より