ヤコブ
創世記にヤコブは、200聖句、238か所に登場します。
創世記に登場するヤコブの記述(ヤコブの生き様)を整理してみました。
ヤコブは、イサクとリベカの次男として生まれた。兄エサウのかかとをつかんで生まれたことから「ヤコブ(かかとをつかむ者)」と名付けられる。兄は野の人、彼は天幕に住む穏やかな人であったが、母の偏愛もあって、彼の生涯は争いと葛藤の中で始まる。空腹のエサウから長子の権利を買い取り、さらに父イサクを欺いて祝福を奪ったことで、兄の憎しみを買い、殺意を避けて母の兄ラバンのもとへ逃れた。
逃避行の途中、ベテルで天に届く梯子の夢を見、「主がこの場所におられる」と悟る。ここで神は彼にアブラハム契約の継承を約束された。ハランではラケルを愛し、七年働くが、欺かれて姉レアを妻とし、さらに七年仕えた。家庭内では姉妹の対立の中で多くの子が与えられ、やがて十二人の息子の父となる。ラバンのもとでの労苦と知恵によって家畜は増え、富を築くが、再び対立が生じ、神の命に従って故郷へ帰る決意をする。
帰路、ヤボクの渡しで神と格闘し、「イスラエル(神と戦い、勝った者)」という新しい名を与えられる。この出来事は、策略に頼ってきた彼が、神にしがみつく信仰者へと変えられた転機であった。その後、恐れていた兄エサウと和解する。シケムでは娘ディナの事件により一族は危機に陥るが、神は彼を守り、ベテルで再び契約を確認される。
晩年は愛する子ヨセフを失った悲しみを経験するが、飢饉の中でヨセフとの再会という大きな慰めを受け、エジプトへ移住する。百三十歳でファラオに会い、自らの生涯を「短く、苦しみ多い」と振り返った。百四十七年の生涯を終える前、十二人の子らを祝福し、将来を預言して息を引き取る。
ヤコブの生涯は、欺きと弱さに始まり、神との格闘と恵みによって練り清められていく歩みであった。彼は失敗を重ねながらも、神の約束に支えられ、イスラエル十二部族の父として、救済史の重要な位置を占める人物となったのである。
創世記に登場する「ヤコブ」(PDF版)


