企業会計原則
公正な天秤、公正な秤は主のもの。袋のおもり石も主の造られたもの(箴言16:11)。
会社法第431条には、「株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行(=企業会計原則)に従うものとする」とあります。
企業会計原則は、次の1~3から構成されています。
1.一般原則:7つの原則(企業会計原則)
2.損益計算書原則
3.貸借対照表原則
企業会計原則について見て行きたいと思います。
簿記(商業、工業、原価計算)を学んだ方なら当たり前の原則なんですが、意外と知られていません。私たちの生き方にもつながる、大切な考え方(原則)です。
知らなかったので、ご免なさいでは、国税を含め、許してはくれません。
財務の責任は重いのです(真の財務を知らない、簡単に考えている方が多い)。
私たち宗教団体も当然、適用されます。宗教団体は、どこか守られていると思っている方がいますが、世の規則は当然、守る必要があります。
1.真実性の原則
企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。
2.正規の簿記の原則
企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
3.資本取引・損益取引区分の原則
資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。
資本取引(資本を変動させる取引)と損益取引(利益を変動させる取引)は本来、まったく異なる性質のもの。また、資本剰余金(株主が出資した金額のうち、資本金に組み込まれなかった剰余金)と利益剰余金(利益のうち配当に回らなかった剰余金)も同様です。両者を混同してしまえば、利害関係者が企業の財政状態や経営成績などの情報を正確に把握できません。
この原則は企業財務の健全性を保つうえでも重要です。原則に忠実に従うことで、利益隠しなどを防止できます。
4.明瞭性の原則
企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。
5.継続性の原則
企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。
6.保守主義の原則
企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。
財務上で企業に不利益をもたらす可能性がある事象は、慎重な判断にもとづいて会計処理を行わなければならないという原則です。
例えば、売掛金が貸し倒れ損失となる可能性が非常に高い場合には、確定前に損失処理が求められます。
7.単一性の原則
株主総会提出のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、真実な表示をゆがめてはならない。これは複数の会計帳簿の作成を禁止する原則です。