042 手の萎えた人をいやす
(マタイによる福音書12:9~14、マルコによる福音書3:1~6、ルカによる福音書6:6~11)

マタイによる福音書12:9~14

09イエスはそこを去って、(ファリサイ派の支配する)会堂にお入りになった。
→Going on from that place, he went into their synagogue, (NEW INTERNATIONAL VERSION)
→Now when He had departed from there, He went into their synagogue. (NEW KING JAMES VERSION)
会堂は、ファリサイ派が支配管理(イエスにとってはアウェイawayの場所である)していたことが、英語版では理解できる。
→タイによる福音書23:38~39
見よ、お前たちの家(→イエスにとってはアウェイawayの場所≠神殿)は見捨てられて荒れ果てる。言っておくが、お前たちは、『主の名によって来られる方に、祝福があるように』と言うときまで、今から後、決してわたしを見ることがない。」
→ヨハネによる福音書2:16
鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家(→イエスにとってはホームhomeの場所=神殿)を商売の家としてはならない。」
→参考:「away(アウェイ)」=「遠征地の試合」⇔「home(ホーム)」=「本拠地の試合」

10すると、片手の萎えた(→力が抜け自由がきかなくなった)人がいた。人々はイエスを訴えようと思って、「安息日に病気を治すのは、律法で許されていますか」と尋ねた。
→現代、律法は「ハラーハー/ハラハーhalakhah」(=ユダヤ法Jewish law)と呼ばれ、①当時の律法と同じく、命にかかわる場合の処置(それ以外の病人の癒しや薬を用意することは許可されていない)や②緊急性を要する場合は、制限付きで許可されている。

11そこで、イエスは言われた。「あなたたちのうち、だれか羊を一匹持っていて、それが安息日に穴に落ちた場合、(羊の命を救うために)手で引き上げてやらない者がいるだろうか。
→出エジプト記23:4~5、申命記22:4

12人間は羊よりもはるかに大切なものだ。だから、安息日に善いことをするのは許されている。」

13そしてその人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。伸ばすと、もう一方の手のように元どおり良くなった。

14ファリサイ派の人々は出て行き、どのようにしてイエスを殺そうかと相談した。
→ファリサイ派は律法を研究し、律法に従って生きるべきかを教えていたために、民衆に尊敬されていた。ファリサイ派の人々はイエスが自分たちの立場や影響力を脅かすと考え、イエスを殺そうと決心した。
→(政治的な力を持たない)ファリサイ派の人々は出て行き、早速、(政治的な影響力を持つ)ヘロデ派の人々と一緒に、どのようにしてイエスを殺そうかと相談し始めた(マルコによる福音書3:6)。