人間の愚かさ(怖さ)
・・・11歳で全日本学生音楽コンクール小学生の部に優勝し、12歳でNHK交響楽団と共演、15歳で日本音楽コンクールに史上最年少で優勝・・・少女時にプロ・デビューしてしまった彼女(真理子)を待ち受けていたものは、決して楽しくてきれいな花道ではなかった。それは、人間が持っているであろう、あらゆる憎しみ、ジェラシー、そして、無法、抹殺・・・・・・・ほとんど精神的な殺人とも言えるようなものだった。
そんな大人の世界に放り込まれた幼少の彼女を守ってくれる者はいなかった。ただ、家族の声援だけが頼りだった。それでも、家族全員に励まされ、頑張りつづけた彼女も、ショックに倒れたことがある。その時は、もはや、精神的にも肉体的にも、限界だった。・・・
◆◆◆◆◆◆◆◆◆「千住家にストラディヴァリウスが来た日」(千住 文子 著)より
千住 真理子(せんじゅ まりこ)
1962年4月3日生まれのヴァイオリニスト。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。
1975年、第1回NHK若い芽のコンサートでNHK交響楽団と共演、12歳でプロデビュー。
◆G線上のアリア 千住真理子 CD
※アリア (伊語:Aria、 英語:Air):叙情的、旋律的な特徴の強い独唱曲。
オペラ、オラトリオ、カンタータ(単声または多声のための器楽伴奏付の声楽作品)などに含まれるもの、また広義に、そのような独唱曲を想起させる曲をいう。オペラなどでは、特に独唱者にとって聞かせどころとなる曲である。
オラトリオ:聖譚曲、宗教的題材に基づく壮大な叙事的楽曲)の語源は、古代アラム語の「祈祷室」をラテン語に訳したものといわれ、本来は教会や修道院に設けられた祈祷用の部屋をいいました。