マタイ効果 「ラントン」のたとえ

マタイによる福音書25:14~30
=「ムナ」のたとえ(ルカによる福音書19:11~27)

「天の国はまた次のようにたとえられる。

ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。それぞれの力に応じて、一人には五タラントン(→1タラントン=6000ドラクメ=6000デナリオン、1デナリオン=農夫の日当)、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。

早速、五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。

さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。

まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』

次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』

ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。

だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。←マタイによる福音書25:29)

この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」

▶GOD does not give two Gifts.
人は皆それぞれ、異なった能力を神様から与えられている。その与えられた能力に感謝し、他人と比較するのではなく、それを磨き、使いこなすことによって、その人がより豊かになるように、神様は整えてくださっている。

他人の能力をうらやみ、自分の能力を探求しようとせず、放置したままにいると、その能力はだんだんとやせ衰えてしまう。神様から与えられた能力を使いこなし、磨きをかけることが、他の能力にも良い波及効果をもたらし、複数の才能を開花させるのである。

「天は二物を与えず」というが、一物は必ず誰にも与えられている。それを二物にも三物にもするか、それとも一物さえ失ってしまうかは、私たちの心の態度、心がけ次第なのである。

エネルギーは意識を向けられる方向に流れる。御言葉を素直に受け入れ、大切に思い、それを心の中に持つ人は、更に神の言葉が与えられるのである。そして、感謝の習慣を持つ者が神を喜び、同時に、神もその人を喜び、更に祝福されるのである。

また、霊的な賜物が与えられるのは、神の栄光のためであって、私たちの栄光のためでないことも忘れてはいけない。神の御名を高め、み働きを推進させるために、神は霊的な賜物を私たちにお与えになったのである。

マタイ効果
条件に恵まれた研究者は優れた業績(結果)を上げることで、更に良い条件に恵まれるという現象。
1968年に、社会学者ロバート・キング・マートン、ハリエット・ザッカーマンによって唱えられた。