(番外) 居酒屋兆治

山口瞳の連作的長編小説で、1983年に降旗康男(ふるはた やすお)監督、高倉健主演により映画化、また1992年に渡辺謙主演により、2020年に遠藤憲一主演によりテレビドラマ化された。舞台となる店「兆治」のモデルになったのはかつて東京都国立市の南武線谷保駅の近くにあった居酒屋「文蔵」である。

最後、こんな兆治と茂子の会話で終わる。

兆治(藤野英治)
「毎日やっているのに 形、大きさ、これでいいのか分からなくなる。急に間違っているような気になるんだ。・・・・・・・もっと マシに生きられたんじゃないかってどっかで 間違ったんじゃないかって。」

女房(藤野茂子)
「間違っていない。大丈夫。だって あなたはそういう風にしか生きられなかったんでしょ。あなたは優しい人、それで十分。ほめられたことばかりじゃなくても 精一杯生きた結果が今なら それは間違っているはずがない。
大丈夫。 あなただけじゃない。みんな そうやって生きているんだから。」

兆治(藤野英治)「じゃ お前は。」

女房(藤野茂子)
「わ、わたしは、あなたの女房で、 良かったって思っています。」

テトスへの手紙3:3~5
わたしたち自身もかつては、無分別で、不従順で、道に迷い、種々の情欲と快楽のとりことなり、悪意とねたみを抱いて暮らし、忌み嫌われ、憎み合っていたのです。しかし、わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。

エレミヤ書42:6
良くても悪くても、我々はあなたを遣わして語られる我々の神である主の御声に聞き従います。我々の神である主の御声に聞き従うことこそ最善なのですから。