シンパシーsympathyとエンパシーempathy

「シンパシー」には「共感」の意味がありますが、同じ「共感」の意味をもつ言葉に「エンパシー(empathy)」もあります。

「シンパシー(sympathy)」はギリシア語が語源とされ、「syn(一緒に)」と「pathos(苦痛)」からできた言葉です。基本的な意味は「思いやり」「同情」「気の毒に思うこと」「共感」です。「シンパシー」は、相手を哀れに思うようなニュアンスが含まれています。

「エンパシー」も「シンパシー」と同様に「共感」(人の気持ちを理解する)という意味がありますが、相手を気の毒に思う「同情」というニュアンスは含まれていません。また、心理学で「エンパシー」は、「自己移入」(=感情移入:もし自分が〇〇だったら)とも言います。自分とは異なる相手の考えや思いを想像して理解する。これがエンパシーの意味する「共感」です。たとえ相手の考えに同意できなくても、いったん自分事として受け止め、自分だったら何ができるかを考えることです。

つまり、シンパシー(sympathy)は他人と感情を共有することを言い、エンパシーは、他人と自分を同一視することなく、他人の心情をくむことと言えるでしょう。

ローマの信徒への手紙12:10
兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。