056 天に富を積みなさい他(山上の説教Ⅵ)
(マタイによる福音書6:19~33)

※イエスの山上の説教(説明)は、モーセの律法の意図を解説したものである。

天に富を積みなさい(マタイによる福音書6:19~21、ルカによる福音書12:33~34)
→天に富(宝)を積む(蓄える)とは、永遠に価値あることのために、才能、時、お金などを用いることである。

「あなたがたは地上に富(=宝、マモンMammon→自分の大切に思っている物、無くてはならない物)を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食うことも、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない。あなたの富のあるところに、あなたの心もある(→地上の富に心が囚われているのなら、その人の心は地上にある。天に富を蓄えているのなら、天上にある。)のだ。」
→マモンMammon(マンモーナス:ギリシア語):不正な財を指して用いられたアラム語の語彙で、物質的「富」または「貪欲」をいう。マモンが神格化され「偶像」となる。
→知らないのですか。あなたがたは、だれかに奴隷として従えば、その従っている人の奴隷となる。つまり、あなたがたは罪に仕える奴隷となって死に至るか神に従順に仕える奴隷となって義に至るか、どちらかなのです(ローマの信徒への手紙6:16)。
→ユダヤ教では、物質的な豊かさは、神の祝福を受けていることの証拠となった。彼らは「神は、愛する者を富ませる」(口伝律法)と教えていた。それゆえ、ファリサイ派の人たちは熱心に富を追求した。
→富という主人は、①あらゆる手段を使って出来る限りのことをせよ、②この世の富、お金とそれによって名誉を得ることを人生の目的とせよ、と私たちの心を神から遠ざけるために叫んでいる。

「His Eyes On The Sparrow一羽のすずめ」ニッコー・ロー女史Nikko Lowe Allen

「一羽の雀」本田路津子