047 十二使徒の選抜 フィリポ、バルトロマイ(=ナタナエル)
(マタイによる福音書10:1~4、マルコによる福音書3:13~19)

ルカによる福音書6:12~16
12そのころ、イエスは祈るために山(NIV:a mountainside、 NKJV:the mountain)に行き、神に祈って夜を明かされた。

13朝になると弟子たちを呼び集め、その中から十二人を選んで使徒と名付けられた。
14それは、イエスがペトロと名付けられた❶シモン、その兄❷アンデレ、
そして、❸ヤコブ(=大ヤコブ、ゼベダイの子、ヨハネの兄)、❹ヨハネ(=大ヤコブの弟、最年少)、
フィリポ、❻バルトロマイ(=ナタナエル)
15❼マタイ(=レビ、徴税人)、❽トマス、アルファイの子❾ヤコブ(=小ヤコブ、義人ヤコブ)、熱心党(→ギリシア語「ゼーローテス」(熱心な者)、ローマに対抗して戦ったユダヤ人グループのメンバーに付けられた名称)と呼ばれた❿シモン、
16ヤコブの子⓫ユダ(=タダイ)、それに後に裏切り者となったイスカリオテ(→ユダヤの地域「ケリオテ」の出身)の⓬ユダである。

<1>フィリポ
❺フィリポ Philippe
→Philip「馬を愛する者」(ギリシア語) 漁師/ガリラヤ・ベトサイダ出身/バルトロマイの友人
フィリポ(ベトサイダ出身)は、イエスが「私についてきなさい」とはっきり命じた最初の弟子である。洗礼者ヨハネが活動していたヨルダン川の近くにいたことから、もとはヨハネの弟子だったのではないかといわれる。フィリポは四福音書の十二使徒のリストすべてに登場するが、その記事はあまり多くなく、「ヨハネによる福音書」に集中(12回登場)している。十二使徒の中で気弱な面もあるが、最も親しみやすい人柄であり、イエスと共に旅をする間は食糧調達係としてよく働いた。伝道者としては、イエスの教えを広めるというより、人々を直接イエスのもとに導く働きをした。十二使徒の1人バルトロマイ(ナタナエル)もフィリポに伴われてイエスの弟子になった。
ギリシアやフリギアで布教した後、小アジアで十字架にかけられ、石打ちにされ、殉教した。

1.イエスに招かれて、弟子となった。
→ヨハネによる福音書1:43
当時の習慣では弟子志願者が申し出るのが自然
2.ペトロやアンデレと同じ、ベトサイダの出身である。
→ヨハネによる福音書1:44、12:21
3.バルトロマイ(=ナタナエル)にイエスを紹介した。
→ヨハネによる福音書1:45
4.その他(上記聖句を参照)

<2>バルトロマイ(=ナタナエル)
❻バルトロマイ Bartholomew
→Bartholomew「タルマイの子」(アラム語) 別名:ナタナエル、ガリラヤ・カナ出身/フィリポの友人
別名ナタナエル(姓〔父名〕:バルトロマイ、名:ナタナエルNathanael-神は与えたもう)。アラム語の「バル・タルマイ(タルマイの子)」のギリシア語音写。フィリポのすすめでキリストと出会い、弟子となった。イエスの忠実な弟子で、十二使徒の中では目立たない存在だった。弟子になる以前については語られていないが、復活したイエスが七人の弟子の前に現れた際、ナタナエルは他の弟子たちと共に漁に出ていることから、同じく漁師だったのではないかとも思われる。
イエスの死後、インドからアルメニア(西アジアの南コーカサスに位置する共和制国家)で広い範囲で伝道活動をしていたが、インドにて、王に洗礼を与えるも、その弟によって捕らえられて生きながら皮剥ぎの刑(皮を剥がさる刑)によって殺されたとされる(伝承は複数あり)。

※「ナタナエル」表記はヨハネ(ヨハネによる福音書)だけで、マタイによる福音書10:3、マルコによる福音書3:18、ルカによる福音書6:14、使徒言行録1:13は「バルトロマイ」表記である。