imminent イミナント

これは、剣などが頭上にぶら下がっていて、すぐにも起こらないかも知れないが、しかし、すぐに起こるかもしれない、いつでも落ちて来る可能性、危険性がある状態を言います。

音節:im・mi・nent
発音:ímənənt
意味:①差し迫った、②目前に迫った、③今にも起こりそうな、④切迫流産
語源:ぶらさがっている、上からかぶさる

例文:imminent danger差し迫った危険

ダモクレスの剣 sword of Damocles
常に身に迫る一触即発の危険な状態を「ダモクレスの剣」と言います。

「ダモクレスの剣」とは王位をうらやむ廷臣が王座に座らされ、頭上に毛一本でつるされた剣に気づく故事から来ています。
栄華の中にも危険が迫っているとの意味です。

これは、「イタリア、シチリア島南東部のイオニア海に臨む商工業・港湾都市シラクサ(シュラクサイ)の僭主(せんしゅ:力で奪って君位についた者)ディオニュシオス2 (在位:BC367~357/346~344)の宮廷に仕える家臣ダモクレスが王への幸福をたたえた。ある時、ディオニュシオス王は宴席でダモクレスを王座につかせ、その頭上に髪の毛1本で抜き身の剣をつるし、王者には常に危険がつきまとっていることを悟らせた」というギリシアの説話から来ている。

アメリカのケネディ大統領が 1961年9月 25日に国連総会で行なった演説で、「人類は核というダモクレスの剣の下で暮らしている。それは細い糸でつるされ、いつ何時にも事故か誤算か狂気により切れる可能性がある」と、米ソ冷戦で核の恐怖が現実味を帯びた時期に軍縮と核実験禁止を唱え、偶発核戦争などの危険について述べたことから、有名になりましたが、正に現在に通じる言葉でもあります。

ケネディ大統領の国連演説
「地球のすべての住人は、いずれこの星が居住に適さなくなってしまう可能性に思いをはせるべきであろう。老若男女あらゆる人が、核というダモクレスの剣の下で暮らしている。世にもか細い糸でつるされたその剣は、事故か誤算か狂気により、いつ切れても不思議はないのだ。」

出典(図):リチャード・ウェストール『ダモクレスの剣』1812年、油彩画