神に象り、神に似せて創造された人間(創世記1:26)

▶新共同訳
神は言われた。「我々に【かた】どり(→象り/模り:外面)、我々に【似せて】(→内面)、人を【造】ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」

▶聖書協会共同訳
神は言われた。「我々の【かたち】に、我々の【姿に】人を【造】ろう。そして、海の魚、空の鳥、家畜、地のあらゆるもの、地を這うあらゆるものを治めさせよう。」

▶口語訳
神はまた言われた、「われわれの【かたち】にわれわれに【かたどって】人を【造】り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを治めさせよう」。

▶新改訳
神は仰せられた。「さあ人を【造】ろうわれわれの【かたち】として、われわれに【似せて】。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように。」

▶リビング・バイブル
そして最後に、神はこう言われました。「さあ、人間を【造】ろう。地と空と海のあらゆる生き物を治めさせるために、われわれに最も近い、われわれの【かたちに】【似せて】人間を造ろう。」

▶NEW INTERNATIONAL VERSION
Then God said, “Let us make mankind(原義:人man+類kind) in our image(原義:模倣したもの), in our likeness(→肖像画、写真), so that they may rule over the fish in the sea and the birds in the sky, over the livestock and all the wild animals, and over all the creatures that move along the ground.”

▶NEW KING JAMES VERSION
Then God said, “Let Us make man in Our image, according to Our likeness; let them have dominion over the fish of the sea, over the birds of the air, and over the cattle, over all the earth and over every creeping thing that creeps on the earth.”

「我々」という複数形は、神と神の御座を構成する天的存在を指しています。また、複数形にすることで、神様の尊厳、偉大さを表しています。

「神」という言葉は、ヘブライ語で「エローヒーム」ですが、文法的には複数形であって、正確に訳せば「神々」となる言葉です。複数形が用いられていても、ただ一人の神が「わたし」と言っておられるということなのです。

また、「人」にあたる「アダム」「アーダーム」(ヘブライ語)は、最初に創造された人間の名前です。

「かたどり」とか「似せて」という言葉は、「神の形」とか「神の似姿」というふうにも訳されます。

人間は、「神の形」(神は霊ですから、私たちが見るような姿形があるわけではありません。神の形とは神の心に似せてということです)、「似姿」として造られているのです。それは、人間というものの素晴らしさを語っています。人間は、あくまでも神様に造られたもの、被造物ですが、他のどの被造物にもない、すばらしいものを与えられているのです。それが、「神の形」「似姿」です。

人間は神様がお造りになったこの世界の中で、造り主である神様のお姿を、十分にではないが、しかしある程度示し、現わすことができる存在として、神様が造られたのです。これは驚くべき神様からの恵みです。

「かたど・る」(象る/模る)
1.物の形を写し取る。また、ある形に似せて作る。「雪の結晶を―・った模様」
2.物事を形象化して表す。象徴する。「平和を―・ったマーク」

**********************************ⒸH.Taniguchi