010 ヨセフへの知/イエス・キリストの誕生
(マタイによる福音書1:18~25)
→ヨセフの側から見た物語で、神の約束が成就し、人々に喜びをもたらします。

18❶ヨセフの苦悩:イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊(→世界の中で働く神の力で、慰め主、助け主、弁護者として働かれる)によって(神の介入により、超自然的に)身ごもっていることが明らかになった。
→イエス=イェッシュア:ヘブライ語:「主は救う」の意味
⓵イエスース(ギリシア語)
⓶ヨシュア、イエホシュア(ヘブライ語)
→キリスト=メシアス、メシア:ヘブライ語、ギリシア語で「メシアス」で、選ばれた者、油注がれた者の意味。油を注ぐとは頭に油を塗ることで、その者が特別に重要な職務に選ばれたことを意味した。キリスト家のイエスではない。
→ユダヤの結婚までの流れ:⓵~⓷
⓵両親の合意
⓶花嫁の父に「花嫁料」を支払う⇒婚約(法的には婚姻と同等とされ、婚約破棄は、離婚手続きが必要)。ただし、同居は1年程先(→花嫁の父へのお礼等の期間)
⓷婚姻
19夫ヨセフは正しい人(→モーセの律法によって、常に正しいことを行う人)であったので、マリアのことを表ざた(=公、さらし者)にするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。
→ヨセフ、「義か?恵み(ゆるし)?」で悩む。→ヨセフは、後者を選んだ。
20❷天使の御告げ:このように考えていると、主の天使が夢(→天使や夢は「神の啓示法」である)に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。
21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」
22このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
23「見よ、おとめが身ごもって(→処女懐胎)男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。
→インマヌエル:神は我々と共にある
→それゆえ、わたしの主が御自ら/あなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ(イザヤ書/ 07章 14節)。
24❸ヨセフの応答:ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、(すぐに)妻を迎え入れ、
25男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。
→主は、イスラエルを/すべての罪から贖ってくださる(詩編130:8)。
→八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である(ルカによる福音書2:21)。

※ルカは、「イエス・キリストの誕生」を次のように記している。
イエスの誕生(ルカによる福音書2:1~7)
そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。これは、(シリアの総督)キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘム(ヘブライ語で「パン御家」を意味し、エルサレムの南方、海抜約750mにある)というダビデの町へ上って行った。身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。
→住民登録:ローマ帝国支配地域に在住するすべての人が、ローマ帝国へ税金を納めるためになされたもので、すべての人は、それぞれの生まれ故郷で登録を義務付けられた。

▶アーメン  Amen「本当に」「真にそうです」「然り」「そうありますように」
→民数記5:22、申命記27:15、27:16~26、歴代誌上16:36、ネヘミア記5:13、8:6、詩編41:14、72:19、89:53、106:48、エレミヤ書11:5、28:6、マルコによる福音書16:20、ローマの信徒への手紙1:25、9:5、11:36、15:33、16:27、コリント信徒への手紙Ⅰ14:16、コリント信徒への手紙Ⅱ1:20、ガラテヤの信徒への手紙1:5、6:18、エフェソの信徒への手紙3:21、フィリピの信徒への手紙4:20、テサロニケの信徒への手紙Ⅰ3:13、テモテへの手紙Ⅰ1:17、6:16、テモテへの手紙Ⅱ4:18、ヘブライ人への手紙13:21、ペトロの手紙Ⅰ4:11、5:11、ペトロの手紙Ⅱ3:18、ユダの手紙1:25、ヨハネの黙示録1:6、1:7、3:14、5:14、7:12、19:4、22:20(以上、50聖句、56個)

▶インマヌエル Immanuel「神はわれらとともに」
→インマヌ(עמנו、Immanu、われらとともにいる)+エル(אל、El、神)

▶ハレルヤ Hallelujah「神をほめたたえよ」
→詩編104:35、105:45、106:1、106:48、111:1、112:1、113:1、113:9、115:18、116:19、117:2、135:1、135:21、146:1、146:10、147:1、147:20、148:1、148:14、149:1、149:9、150:1、150:6、ヨハネの黙示録19:1、19:3、19:4、19:6(以上、27聖句、27個)

▶ホサナ Hosanna「どうか、救ってください」

▶マラナ・タ Maranatha「主よ、来てください」
→コリントの信徒への手紙一16:22
主を愛さない者は、神から見捨てられるがいい。マラナ・タ(主よ、来てください)。