相撲のルーツ(ヤコブと天使の格闘)

相撲のルーツは古代イスラエルにあるという考えがあります。
イスラエル民族の「三大父祖」と呼ばれる人に、「アブラハム、イサク、ヤコブ」がいます(下図参照)。

そのヤコブが神の使いと格闘したことが、と「創世記32章25~30節」に記されています。

ヤコブは独り後に残った。そのとき、何者かが夜明けまでヤコブと格闘した。ところが、その人(→神の使い)はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、格闘をしているうちに腿の関節がはずれた。「もう去らせてくれ。夜が明けてしまうから」とその人は言ったが、ヤコブは答えた。「いいえ、祝福してくださるまでは離しません。」「お前の名は何というのか」とその人が尋ね、「ヤコブです」と答えると、その人は言った。「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったからだ。」「どうか、あなたのお名前(シュモー:ヘブライ語)を教えてください」とヤコブが尋ねると、「どうして、わたしの名を尋ねるのか」と言って、ヤコブをその場で祝福した

ヤコブが神の使いと格闘した時から、「イスラエル」という名前と、神からの祝福が与えられました。ここから、ヤコブの子孫であるイスラエル民族が「神の選民」「イスラエルの民」「イスラエル人」と言われるようになりました。

ヘブライ語で「名前」を「シュモー」(→相撲)と言います。
また、「はっきょい」の「ハッケ」は「なげつけろ」、「ヨイ」は「やっつけろ」、そして「のこった、のこった」は「投げたぞ、やったぞ」という意味です。

また、取り組みの前に土俵に塩をまきます。これは土俵を清めるためですが、聖書「列王記下2章21節」には次のように記されています。

彼は水の源に出かけて行って塩を投げ込み、「主はこう言われる。『わたしはこの水を清めた。もはやここから死も不毛も起こらない』」と言った。

画:天使とヤコブの戦い(ウジェーヌ・ドラクロワ作)