人間を含め、地球上の全ての物からは、宇宙空間に向けて赤外線が出ています。気象衛星も雲や地面、海面から反射された太陽光線を観測するだけでなく、それらから出る赤外線も観測しています。
太陽が降り注ぐ昼間、地面は熱されます。しかし、夜になると太陽の熱放射がなくなるので、熱しやすい地面は周りに比べ熱いので、地面から熱の放射が活発になります。このとき、大気中に雲が存在すると、雲からの放射を地表面が受け、地表面の温度低下が妨げられます(左下図)。
一方、大気中の雲(水蒸気)が少ないよく晴れた夜間には、地表からの放射はそのまま宇宙空間に放出されてしまうため、地表付近の温度が低下しやすくなります(右下図)。この状態を放射冷却と言います。
また、風が強い場合には、放射冷却が起こっても空気が混ぜ合わされ、上空の暖かい空気が降りてくるため、放射冷却は弱くなります。