パソコンと脳

パソコンを使用する時間が長いと「海馬」が委縮しにくくなる

シニアの認知症予防・ボケ防止にはパソコンを利用することがいいと言われています。パソコンを学んだり、使用したりする、つまり頭を使うことで、脳の海馬(かいば:「新しい記憶」は海馬に、「古い記憶」は大脳皮質に記憶される)と呼ばれる場所に刺激が起こります。

ご存知のように、海馬は記憶をつかさどる部分なので、何かを覚えようとした時、脳に負荷をかけた時にによく働きます。海馬が働かなくなると、私たちは新しいことが覚えられなくなります。海馬はもの凄く高性能ですが、逆に、とても繊細で壊れやすい精密機械のようなものと覚えておいてください。

日常生活で、パソコンを使っていると意識せずとも様々なことを学び記憶しなければならず、結果として、それが海馬へと良い影響をもたらすと考えられています。パソコンはスマホなどとは異なり、いろんな指をくりかえし動かします。脳神経生理学の専門家の実験から、指をくりかえし動かすほうが脳の血流を良くすることがわかっています。右手の動きは左側の脳が、左手の動きは右側の脳がつかさどっています。パソコンを使うことで、両手を使まう。両手によるタイピングなら左右の脳がしっかり鍛えられ、バランスのとれた脳トレが可能にもなると言われています。また、タイピングをする時、私たちはただ手を動かしいているだけではなく、パソコンのモニター(画面)を見るのに眼を使い、打ちながら意味を考えたりしています。このようにパソコンを使うことは脳の領域の広い範囲を使うので、脳トレ効果も高いのです。

パソコンを毎日使うことで、自然に頭をトレーニングする習慣をつけ、いつまでも若々しい脳で、楽しく過ごしていただけることを願っています。

参考(上図):https://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku3/kioku3_1.html

脳の可塑性

脳の可塑性とは、ノルウェーの神経解剖学者のAlf Brodaが自分が脳梗塞になった体験から、1973年に唱えた新しい概念です。脳の細胞は一度失われる二度と再生することはありませんが、脳への刺激により、脳細胞の配列が変化し、損傷していない部位が壊死した細胞が担っていた機能を代替し、運動の記憶が戻る、つまり運動機能が回復されていくという理論に基づいています。臨床結果でも、脳梗塞の後遺症改善の事例が見られており、今後のさらなる解明が期待されています。

ヨハネの手紙三2節
愛する者よ、あなたの魂が恵まれているように、あなたがすべての面で恵まれ、健康であるようにと祈っています。