モーセの死

出エジプトの指導者として神によって立てられ(出エジプト記3章他)、これまでイスラエルの民を導いてきた モーセは死んだとき120歳でしたが、目はかすまず、活力も失せてはいませんでした(34:7)。

モーセは体が弱って、大往生を遂げたのではなく、まだまだ元気で十分に働ける状態で死んだのでした。

しかも、モーセの死は突然、予期せずに起ったことではなく、約束の地カナンを目前にしたモアブの地で死ぬこと、つまりすべてが神の御心であることを以前から知っていました(34:4)。

年老いたモーセはネボ山に登り、その西、エリコの向かいに位置するピスガの山頂に登りました(34:1)。そして、長い間、行くことを望んでいた約束の地カナンを眺めていた時、神はモーセを静かにより良き地、天へと引き上げられました(34:5)。神はモーセをモアブの地にある谷に葬られたが、誰もモーセが葬られた場所を知らない(34:6)とあることから、モーセの魂は神の御もとに召され、その体はイスラエルの民がモーセを偶像礼拝の対象とすることが出来ない所に葬られたのであろう(34:5)。

※ピスガとは、「尖った所」の意で、ネボ山(標高802m)の西2.5㎞の地(ラース・エ・シャーガ)である。なお、ピスガの山頂は標高710mである。