130 宮清めの祭りにおいて
ヨハネによる福音書10:22~39(ユダヤ人、イエスを拒絶する)

22そのころ、エルサレムで神殿奉献記念祭が行われた。(時は霊的な)冬であった。
→神殿奉献記念祭(宮きよめの祭り、宮清めの祭り、ハヌカ祭、ハヌカーの祭り、光の祭り)
聖書中「神殿奉献記念祭」の記述は、ヨハネによる福音書10:22のみで、ハヌカーはヘブライ語で「奉献、献納」という意味である。
→ダニエル書12:11~12に「日ごとの供え物が廃止され、憎むべき荒廃をもたらすものが立てられてから、千二百九十日が定められている。待ち望んで千三百三十五日に至る者は、まことに幸いである。」※1と記されている。この預言は歴史的事実を背景にするもので、セレウコス朝シリアの統治者アンティオコス4世・エピファネス※2が、BC167年キスレーヴの月の15日に、ギリシア神ゼウスの祭壇を神殿に設置したことを指している。しかし、この祭壇は、BC164年キスレーヴの月の25日に、ユダヤ人マカベア-豪族のユダス=マカバイオス(ユダ=マカベウス、マカベウスのユダ)-により取り除かれ、神殿は再奉献された。この出来事は「ハヌカー」「宮きよめ」と呼ばれ、今でも神殿祭として祝われている。

マタイによる福音書24:15にも、「預言者ダニエルの言った憎むべき破壊者が、聖なる場所に立つのを見たら――読者は悟れ――、」と記されている。これは終わりの日に起こる反キリストによる大患難のことを預言しているが、この出来事の原型が「ハヌカの祭り」の背景にある。