037 マタイの召命(マタイによる福音書9:9~13)
(マタイを弟子にする、マルコによる福音書2:13~17、ルカによる福音書5:27~32)
マタイによる福音書9:9~13
09イエスはそこ(→ガダラ)をたち、通りがかりに(→場所:カファルナウム)、❽マタイという人(→徴税人、取税人)が収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」(→Follow me)と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った(→ルカによる福音書5:28彼は何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った)。
→ローマ帝国は税金を徴収するためにその代理人として税(所得税、通行税)や罰金を徴収するために地元の人々を雇った(現代の税務署員とはもちろん異なり、当時のユダヤの律法では徴税人になることは禁じられ、指導者たちは、徴税人を盗人のように考え、徴税人と交わることを禁止し、また徴税人にうまく騙されないように嘘の申告をすることも認めていた)。徴税人としての職は、入札で最高額を入れた者に与えられ、この仕事は、大きな利益を齎(もたら)すものであった(→民衆から集めた額とローマに納める決められた額との差額が徴税人の豊かな利益となった。この悪習はローマも公認していた)。ユダヤ人の徴税人は同胞に嫌悪され、自らの国や宗教、家族をも裏切る者と見なされた。徴税人だったマタイはイエスの十二人の弟子に加えられる。マルコによる福音書2:14およびルカによる福音書5:27では、マタイの代わりに「レビ」の名が記されている。