黒人霊歌「ドライボーンズDry Bones(枯れた骨)」

神の導きによりイスラエル再興を約束した白骨の散乱する谷を訪れて骸骨をつなぎ、神の名を唱えて生き返らせたという旧約聖書(エゼキエル書第37章)に基づいて作られたスピリチュアル・ソング。

デルタ・リズム・ボーイズ(テナーのカール・ジョーンズを中心に1934年にオクラホマの大学で結成された五人組)が1941年にリリースした。当時はニューヨークの若い黒人の間で黒人霊歌から始まったストリート・ミュージックが流行していたが、貧しい黒人たちには高価な楽器が買えなかったため、楽器代わりにそれぞれが声でパートを務めた。これが「ドゥー・ワップ」(doo-wop主旋律を歌うリード・ボーカル、和音〈ハーモニー〉の中高音部を担当するテナー、中低音部を担当するバリトン、低音部を担当するベースに大きく分けられる)の原点となった。→Dry Bones-The Delta Rhythm Boys