007 イエス誕生の予告(ルカによる福音書1:26~38)
→マリアへの告知(1:28~38)

26(エリサベトが身ごもって)六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。

27ダビデ家のヨセフという人のいいなずけ(=許嫁)であるおとめ(=未婚の若い女性)のところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。

28❶天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう(=シャローム)、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
→「恵まれた方」をカトリック、ブルガタ(ウルガタ)ラテン語訳では「full of grace」とし、「マリア崇拝」につなげている。
→(ルカによる福音書11:27~28)イエスがこれらのことを話しておられると、ある女が群衆の中から声高らかに言った。「なんと幸いなことでしょう、あなたを宿した胎、あなたが吸った乳房は。」
しかし、イエスは言われた。「むしろ、幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」
→イエス・キリストは、ルカによる福音書11:27の問いかけに対して、承認せずに、「幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である」と応えている。また、聖書には、マリアの死や昇天について、あるいは、祈りの仲介者であることも記されていない。
マタイによる福音書にあるマリア
マルコによる福音書にあるマリア
ルカによる福音書にあるマリア
使徒言行録にあるマリア

29❷マリア(→ミリアム:ヘブライ語)はこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ

30❸すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた

31❹あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエス(→ヘブライ語、Yeshuaイェッシュア-「主は救う」の意味)と名付けなさい。
→(イザヤ書7:14)それゆえ、わたしの主が御自ら/あなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ。

32その子は偉大な人になり、いと高き方(ハ・エルヨン:ヘブライ語=神)の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。

33彼は永遠にヤコブの家(→イスラエルの民)を治め、その支配は終わることがない。」

34❺マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」

35❻天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる
→対句法:聖霊があなたに降り⇔いと高き方の力があなたを包む、聖なる者⇔神の子
→イエス・キリストは、聖霊による処女懐胎で生まれたので、母マリアの人間の原罪を継承しておらず、原罪を持たない人間として誕生している(聖霊による処女懐胎は、原罪を持たない人間、イエス・キリストの誕生に必要なものであった)。

36あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。

37神にできないことは何一つない。」
→(創世記18:14)主に不可能なことがあろうか。来年の今ごろ、わたしはここに戻ってくる。そのころ、サラには必ず男の子が生まれている。

38マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は(使命を終え)去って行った。