「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」

久しぶりにTVで「白い巨塔」(原作 山崎豊子)をやっていました。
浪速大学医学部第一外科・准教授の財前五郎(主演岡田准一)が、悲願である“教授の座”を目指してなりふり構わず邁進していく姿を映し出す、永遠のベストセラーです。
今風にアレンジされていましたが、ついつい見てしまいました。

これを見ていて、浮かんだのが、「藤原道長」でした。

平安貴族の頂点、関白として栄華を極めた藤原道長ですが、この句を詠んだ時すでに病(糖尿病、心臓系の病など)に侵されていました。
病を知った道長は剃髪して出家しましたが、時すでに遅し、10年もしないうちに、病没。享年62でした。

人間の本性とは、本当の幸せとは何かを改めて考えさせられる作品でした。

人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。(マタイによる福音書16章26節)