ユダヤ暦

世界で一般に使われている年号である「西暦」はキリスト教から来ています。西暦をAD××年と言いますが、ADは、Anno Domini(「アノ・ドミニ」主の年に)の略です。

ユダヤ人は、CECommon Era「コモン・イアラ」共通暦/共通紀元)〇〇年という言い方をします。

紀元前は西暦では、BCBefore Christですが、ユダヤ人はBCEBefore Common Eraとして使います。

また、ユダヤ暦の年は、西暦+3760となりますが、これはユダヤ人が聖書(キリスト教での旧約聖書)に基づいて天地創造から計算したという年数を採用したものです。
→ユダヤ暦の年=西暦+3760年(例えば、西暦:AD2030年⇒ユダヤ暦:CE5790年)

ユダヤ暦は、日本の旧暦と同じく、月の満ち欠けを基準に月を決める方式(太陰太陽暦)です。

地球が太陽を一周する時間を1年とするのが太陽暦ですが、太陰暦12カ月は、太陽暦との間に約11日間の誤差が生じます。それをうまく調節する工夫がされ、ユダヤ暦として、基本的に現在でもユダヤ教で用いられ、イスラエル国も公式にはこの暦で行事が執り行なわれています。

ユダヤ暦では、太陽暦との誤差を次のように調節しています。
具体的には、19年に7回閏年を設けて、閏年は1年13カ月として調節します。つまり、閏月を加えるのです。それで、大体春の祭りである、過越祭(ペサハ)は西暦の3月か4月に来ることになります。

↓をクリックすると拡大して見ることができます。

イスラエルでは、日常生活では通常西暦で通していますが、国の公式行事はユダヤ暦を採用しています。
西暦1948年5月14日にイスラエルは独立しましたが、その日はユダヤ暦でイヤールの月5日でした。

また、ユダヤ暦の特徴として、一日が日没から始まります。それは、聖書の創世記に「夕べがあり、朝があった」と書かれているからです。

創世記1:5
光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。