ネガティブ・ケイパビリティ

ネガティブ・ケイパビリティ Negative capability

イギリスのロマン主義の詩人ジョン・キーツが「不確実なものや未解決のものを受容する能力」として表した言葉です。

何か問題が起こると、人はそのことのみに囚われて、性急に解答を求めがちなものです。しかし、直面する問題の中には、どんなに解決を願ってもどうにもならないことや、正解のないこともあります。

そんな状況に陥った時、必要とされるのが、「ネガティブ・ケイパビリティ」という能力で、次のような特徴を持っています。
・答えの出ない、対処しようのない事態に耐える力
・先行きが不透明な事態や状況を甘受する力
・性急に答えを出したり、理由を求めたりしないで、不確実さ、不思議さ、疑いの中にいることができる力
・論理で説明が出来ない”もやもや”感を無視せず受けとめる力

現代は、科学や情報網が発達し、すぐに問題を調べて解決出来るように錯覚してしまいがちです。しかし、逆に解決出来ないことや不確実、不明瞭なことを受け入れることが出来ずに悩み苦しむことも多くあります。

ネガティブ・ケイパビリティを育むことによって、このような悩みにしなやかに向き合うことが出来ます。

そして、究極のネガティブ・ケイパビリティは神様に委ねることです。
どんなに頑張っても自分の力の及ばないことがあることを認め、ありのままに受け入れ、神様に委ねるなら、しなやかな強さを持つことが出来るのです。

参考「しあわせレシピ」渡邊義・奈都子著〈いのちのことば社〉

思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい。神が、あなたがたのことを心にかけていてくださるからです。(ペトロの手紙一5章7節)