「ハレ」と「ケ」
「ハレ」は「晴れ」、「ケ」の漢字は、「褻」です。
「ハレ」は、「晴れ着」「晴れ舞台」「晴れ姿」というように、人生での非日常的な(普段とは異なる)特別な、重要な日や時間をいいます。そして、それ以外の日常の時間や空間を「褻(ケ)」といいます。私自身もそうですが、今では、「褻(ケ)」という言葉を知っている人もほとんどいないように思います。
昔は、「晴れの日」、つまり、特別な日には、普段口にしないような、料理(酒・魚・肉・餅・赤飯・寿司など)が用意され、食しました。
物質面において、世の中がどんどん豊かにつれ(逆に、心や精神面は貧しくなっている)、「褻(ケ)」という言葉自体が使われなくなってしまったようです。
今一度、生活のおいても、自分の中で、「ハレ」と「ケ」を見つめなおし、明確に分ける時が来ているのかもしれません。
そうすることによって、人間本来の自然治癒力等も復活していくような気がしています(もちろん、これは、あくまでも個人的な意見ですが)。
ネットで、調べてみると、こんなことが書かれてありました。
「人の生活の大部分は褻のときである。褻のときは、一定の規則に従った生活が繰返され、労働に従事したり、身辺の仕事をかたづけたりする。以前は,衣食住のうえでも心理的にも晴と褻の区別は明確に分れていたが、相互浸透によってこの区別は次第に希薄になりつつある。」
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「褻」
順境には楽しめ、逆境にはこう考えよ/人が未来について無知であるようにと/神はこの両者を併せ造られた、と。(コヘレトの言葉7章14節)