030 役人の息子をいやす(ヨハネによる福音書4:46~54)
46イエスは、(ナザレを避けて)再びガリラヤの(山地にある村)カナに行かれた。そこは、前にイエスが水をぶどう酒に変えられた所である。さて、(ローマ兵が駐在する湖畔の町である)カファルナウムに(ヘロデ・アンティパス)王の(ユダヤ人の)役人がいて、その息子が病気であった。
47この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、(カナのある山地から)カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。
48イエスは役人に、「あなたがたは、しるしや不思議な業を見なければ、決して信じない(→しるしを求める信仰)」と言われた。
→イエスの役人に対する叱責の言葉
→聖書には、「ユダヤ人はしるしを求め、ギリシア人は知恵を探しますが(コリントの信徒への手紙一1:22)」と記されている。
→トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。イエスはトマスに言われた。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである」(ヨハネによる福音書20:28、29)。
49(子供のことで頭がいっぱいで、イエスの叱責の言葉に気付かない)役人は、「主よ、子供が死なないうちに、おいでください」と言った。
50イエスは言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる。」(→命令と保証)その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰って行った。
51ところが、下って行く途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。
52そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、「きのうの午後一時に熱が下がりました」と言った。
→ユダヤ式時間:午後一時、ローマ式時間:午後七時
53それは、イエスが「あなたの息子は生きる」と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって(=挙って:一人残らず、ことごとく皆)信じた(→御言葉をそのままに信じる信仰)。
54これは、イエスがユダヤからガリラヤに来てなされた、二回目のしるしである。
→二回目のしるし:しるし=奇跡、セメイオン(ギリシア語)。このことでヨハネはイエスが神の子であることを示している。最初のしるしは、ヨハネ2:11。