「時分の花」と「真の花」
人間には、一人残らず神様からそれぞれ才能(タラント、タレント)が与えられています。その与えられた才能に感謝し、他人と比較するのではなく、それを磨き、使いこなすことによって、その人がより豊かになるように、神様は私たちを鍛えようとしてくださっています。
年齢の若さによって現れる、芸以前の一時的な「時分の花」(風姿花伝、世阿弥 著)ではありません。
私たちは神様より与えられた才能に溺れることなく、一生懸命その才能を磨いていかなくてはならないのです。他人の能力をうらやみ、自分の能力を探求しようとせず、放置したままにいると、その能力はだんだんとやせ衰えて行きます。神様から与えられた能力を使いこなし、磨きをかけることが、他の能力にも良い波及効果をもたらし、複数の才能を開花させるのです。
「天は二物を与えず」と言いますが、一物は必ず誰にも与えられています。それを二物にも三物にもするか、それとも一物さえ失ってしまうかは、私たちの心がけ(努力)次第なのです。
神様の御言葉を素直に受け入れ(マタイ11:15、13:9、43、マルコ4:9、23、7:16、ルカ8:8、14:35)、それを心の中に持つ人は、更に神の言葉が与えられます。そして、感謝の心を持つ者が神様に祝福されるのです。
神様にとって、人間は等しく尊い存在なのです。自分にしか与えられていない才能を磨き、自分らしい「真(まこと)の花」(同著)を今置かれた場所でお互いに咲かせましょう(土師 萌)。
【参考】 マタイ効果
条件に恵まれた研究者は優れた業績を上げることで、更に良い条件に恵まれるという現象。
1968年に、社会学者ロバート・キング・マートン、ハリエット・ザッカーマンによって唱えられた。
→マタイによる福音書25:14~30=「ムナ」のたとえ(ルカによる福音書19:11~27)
→だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる(マタイによる福音書25:29)。