神の裁き
聖書における「神の裁き」とは、神が罪に対して行う正義の厳しい判決であり、またその判決による罰のことをいいます。
旧約聖書には、神は罪人を罰するために洪水、火、疫病、戦争などの災害をもたらしたことが記されています。また、神はモーセの十戒や他の律法によって、人々に正しい生き方を教え、それに従わない者(罪人)は罰せられることを明示しました。
新約聖書では、イエス・キリストがこの世に来ることによって、「神の裁き」は救いの手段(罪を悔い改める者への赦しと祝福)に変わりました。キリストは、人間の罪を代表して十字架刑に処され、その贖いの死によって、神は罪人を赦し、救いの道を提供することができるようになったのです。
しかし、新約聖書でも、「神の裁き」についての教えは存在しており、終末の時には、神を信じない悪人には永遠の刑罰である、永遠の死に処されることになると記されています。
一方で、神は常に慈悲深く、罪人に向かって愛と救いを与え、神に従うことを願っておられます。
一方で、英語版聖書(例えば、KING JAMES BIBLE 欽定訳)を見ると、「裁く」はもっと厳しい言葉や別の言い回しで記されている(日本語聖書では、すべて「裁き」となっている)。
❶damnation:地獄に落とす[される]こと→マタイ23:14、マルコ12:40、ルカ20:47、ローマ13:2、Ⅰコリ11:29
❷condemnation:激しい非難→ヨハネ3:19、5:29、Ⅰテモテ3:6、ヤコブ3:1、5:12、ユダ0:4
❸condemn:罪に定める→マタイ12:41、ルカ10:14、ヤコブ5:9
❹avenge:かたきを討つ→ルカ18:7
damnation、condemnation、condemn、avenge
また、聖書には「神の裁き」は6回、6聖句に登場します。
→エズラ9:4、イザヤ58:2、ローマ2:3、3:19、14:10、黙示録14:7