いなご豆 Locust bean
ルカによる福音書15:16(「放蕩息子」のたとえ)
彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。
KING JAMES BIBLE
And he would fain have filled his belly with the husks that the swine did eat: and no man gave unto him.
※the husks→殻 cereal
New King James Version
And he would gladly have filled his stomach with the [e]pods that the swine ate, and no one gave him anything.
※the [e]pods→さや、さや状のもの
いなご豆(蝗豆)
地中海地方原産のマメ科ジャケツイバラ亜科の常緑高木(高さは10 m以上になる)。地中海沿岸のような温暖な土地で育ち、乾燥に強い。地中海東部で古代より食用にされ、古代エジプトでも甘味料として用いられた。サトウキビが利用される以前は砂糖の原料として最も重要で、干したイナゴマメは、ユダヤ人の祭日「トゥ・ビシュヴァット」(樹木の新年:新年の植樹祭)にアーモンドや干しブドウとともに食べられています。種子や鞘は主に動物の飼料とされた。また、種子は大きさや重さがほぼ均一であったことから、ギリシア語名「カラットcarat」が宝石の重さの単位「カラット」(→1カラット=200ミリグラム=0.2グラム)の語源にもなった。
キャロブ (carob)と呼ばれる食品は、このいなご豆(locust bean)、またはその実を乾燥させ、粉末状(キャロブパウダー)にしたものです。
カルシウムや鉄分、食物繊維等を豊富に含むため、日本では主に健康食品として、また、コーヒーやココアなどの代用品やチョコレートのような菓子も作られています。
特に、キャロブの鞘から抽出される「ピニトール」(糖尿病予防に効果が期待できる成分)には、血糖値改善作用や肝機能の改善効果(カフェインは含まれておらず、鉄分の風味がある)が認められています。
なお、ピニトールを含有する植物は乾燥気候帯区分を原産とする植物に多く、いなご豆の他、大豆、ルイボス、アイスプラントなどからも検出されます。