セブンスデー・アドベンチスト三田キリスト教会(聖書研究会)

解離性障害

解離性障害

解離とは、意識や記憶などに関する感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態です。この状態では、意識、記憶、思考、感情、知覚、行動、身体イメージなどが分断されて感じられます。例えば、特定の場面や時間の記憶が抜け落ちたり(健忘=けんぼう)、過酷な記憶や感情が突然目の前の現実のようによみがえって体験したり(フラッシュバック)、自分の身体から抜け出して離れた場所から自分の身体を見ている感じに陥ったり(体外離脱体験)します。

こうした症状が深刻で、日常の生活に支障をきたすような状態を解離性障害といいます。

解離の病態メカニズムは、いまだ十分に解明されていませんが、病気の成り立ちには、ストレスや心的外傷が関係していると考えられています。

心的外傷としては、災害、事故、暴行などの一過性のものもあれば、性的虐待、長期にわたる監禁状態や戦闘体験など慢性的に何度も繰り返されてきたものもあります。

人はこのようなつらい体験によるダメージを避けるため、一種の防衛反応(切り離し)を起こし、精神機能の一部を停止させたり自己を切り離したりすることがあります。これが解離性障害につながっている可能性があります。

解離性障害の症状

(1) 解離性健忘
トラウマやストレスによって引き起こされる記憶喪失(健忘)のことで、自分にとって重要な情報が思い出せなくなります。ほとんどが数日のうちに記憶が戻りますが、ときには長期にわたって健忘が持続する場合があります。

(2) 解離性遁走(とんそう)
自分が誰かという感覚(アイデンティティ)が失われ、失踪して新たな生活を始めていたりします。学校や職場において極度のストレスにさらされ、しかもそれを誰にも打ち明けることができない状態で突然不在となり、自分の行動についての記憶を失っていることが通常です。

(3) 解離性同一性障害
自分の中にいくつもの人格が現れる状態のことで、ある人格が現れているときには、別の人格についての記憶がないことが多く、生活面でさまざまな支障が生じます。

(4) 離人症
自分が自分であるという感覚が障害され、あたかも自分を外から眺めているように感じる曖昧な状態です。自己が分離し二重化しているために生じる現象だといわれています。

実際にみられる解離性障害の半数は上記のようにきちんと分類されず、より特定できないタイプが多いようです。

解離性障害の診断
解離症状があることに気づいていない患者さんも少なくなく、さらに幻聴などの症状を抱えていることもあります。したがって、統合失調症との鑑別が必要になるなど診断が難しいときがあります。また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や不安障害、うつ病、境界性パーソナリティ障害(感情や対人関係の不安定さから生活に支障をきたす状態)、摂食障害、物質使用障害(アルコールや薬物などの物質を過度に使用し、依存している状態)、強迫性障害など他の精神疾患の併存も多くみられます。

参考:解離性障害 関 紳一 埼玉県済生会鴻巣病院院長 他

ローマの信徒への手紙15:14
兄弟たち、あなたがた自身は善意に満ち、あらゆる知識で満たされ、互いに戒め合うことができると、このわたしは確信しています。記憶を新たにしてもらおうと、この手紙ではところどころかなり思い切って書きました。それは、わたしが神から恵みをいただいて、異邦人のためにキリスト・イエスに仕える者となり、神の福音のために祭司の役を務めているからです。そしてそれは、異邦人が、聖霊によって聖なるものとされた、神に喜ばれる供え物となるためにほかなりません。そこでわたしは、神のために働くことをキリスト・イエスによって誇りに思っています。

モバイルバージョンを終了