昔、キリシタンは「愛」のことを「ご大切」と言っていた
当時、「愛」や「愛する」という言葉は、親が子に、男性が女性に対する行為について用いられ、相手を対等な人間として認め尊重するものではなく、「かわいがる」「もてあそぶ」という意味で使われました。そのような理由から、キリストの教えである「愛」(アガペー)を宣教師は、「ご大切」(=大切に思ふ)という言葉に訳しました。
キリスト教の最大のテーマである愛は、「アガペー」(agápē 神の人間に対する「愛」)です。
「神は愛です」(ヨハネの手紙一 4:8b)
聖書(新共同訳)に「愛」という言葉は、全部で645個出てきます。その中で、「神の愛(アガペー)」は10箇所の聖句に出てきます。
神の本質は愛であり、イエス・キリストを通して「愛」が示されました。
聖書では、愛とは神様の本質であり、見返りを求めずに無償で相手に尽くすものであり、忍耐、謙遜、信仰を伴うものであることが明確に記されています。
ギリシア語には「愛」を表現する言葉が次の四種類あります。
・アガペー:真の愛、無条件の愛(古代ギリシアではあるものを他よりも優遇する愛)
・ストルゲー:家族愛、親子愛
・フィリア:隣人愛、連帯感の愛(古代ギリシアでは友人の友人に対する愛)
・エロース:性 愛、本能・肉体的な愛(古代ギリシアでは自己を充実させる愛)