ほろニガ甘さがクセになる チコリ NHK 2019年02月24日放送

ヨーロッパ原産のキク科の野菜「チコリ」。シャキシャキしたみずみずしい食感と爽やかな苦味が特徴です。

出エジプト記12:6~8(章タイトル:主の過越)
そ(→傷のない一歳の雄の小羊)れは、この月の十四日まで取り分けておき、イスラエルの共同体の会衆が皆で夕暮れにそれを屠り、 その血を取って、小羊を食べる家の入り口の二本の柱と鴨居に塗る。そしてその夜、肉を火で焼いて食べる。
また、酵母を入れないパン(→マッツァー)を苦菜を添えて食べる。

→酵母を入れないパン生地は膨らまず、焼き上がっても薄いままである。過越祭のときに食べるこの薄いパンは、エジプトを脱出するために非常に急いでいたことを思い起こさせる。パン生地を膨らませる時間さえなかったのである。

苦菜はエジプトで収穫できるエンダイブ(Endive=ニガチシャ〈苦萵苣〉、キク科)やチコリ(→キクニガナ〈菊苦菜〉、キク科)などの香菜(香辛野菜)のことで、野菜の苦い味がエジプトで奴隷であった苦い体験を思い出させた。

【参考】主の過越・除酵祭
第一の月はニサン(アビブ)の月と呼ばれ、太陽暦の3月中旬から4月中旬に当たる。
過越は、פָּסַח‎(過ぎ越す)という意味のヘブライ語に由来する。

過越祭は、第一の月14日の日没から行われ、犠牲の羊を献げ、15日にその羊、酵母を入れないパンと特別な食物を食し、ぶどう酒を飲む。これはエジプトで奴隷状態にあったイスラエルの民を神がどのように救い出したかを記念して祝われる。

除酵祭は、過越祭の次の日から始まり七日間続けられる。

【参考】パン種は罪の象徴
ヘブライ語で「パン種」のことを「ホーメツ」(חֹמֶץ)と言い、「酸っぱい」「苦い」という意味がある。私たちを「酸っぱく」し、「苦い」者としてしまうのが罪です。逆に、「酵母を入れないパン(マッツァー)」は「酸味のない甘いパン」という意味になり、罪のない生活の喜びや健全さを象徴している。つまり、イスラエルの民は過越の祭りを通して、神によってエジプトから贖い出されたのは、傷もなく汚れもない小羊の血によるものであるということを確認する。そして、罪から離れて神の民としてふさわしく生きるための方向づけとして、七日間にわたる「除酵祭(種の入らないパンの祭)」が制定された。「七」には、「完全に」という意味が込められている。