ブラックアウト

ブラックアウト

停電の原因の一つとして、「ブラックアウト」があります。これは電気の需給のアンバランスから来る(系統崩壊)ものです。電気は貯蔵できないので、発電量と消費量が常に均等していることが求められます。これが維持できないと電気の周波数(東日本50Hz、西日本60Hz→明治時代、東京ではドイツ製発電機、大阪ではアメリカ製発電機が導入され、その後、統一されなかったのが原因で、世界でも珍しい)が変動してしまいます。周波数がわずかに変動しただけで私たちが使っている一部の機器には影響が出るため、電化製品の中では、周波数がちがう電気を使うと、使えなくなるもの、故障してしまうものがあり注意が必要です。

発電機は、需要が供給能力を上回り、周波数が1~2Hz 程度低下すると、自らの身を守るために系統から離脱する機能が設定されています。そうしないと、タービンが振動で壊れてしまうことや、コイル(巻き線)が過熱して切れてしまう恐れがあるからです。こうして、発電機が自助機能により離脱するとその分、供給力が失われるため、さらに需給のバランスが悪化して「ドミノ倒し」が起こります。

通常は、そうした事態を防ぐため、需給がひっ迫してきた際に一部の需要を遮断することで全体を守る仕組みが導入されています。しかし、その機能が何らかの原因で正常に働かなければ、広域大停電となってしまいます。万が一、発電機が全て系統から切り離されてしまい、全系崩壊(→ブラックアウト)に至ると、その復旧作業は至難の業となります。

その場合の復旧手順としてはまず、山間地域の自流式(流れ込む川の水による)水力発電所を立ち上げます。これを「種火」として、徐々に近くの発電所を立ち上げていくのですが、この時も需要と供給をうまくバランスさせながら行う必要があり、完全復旧までには数日を要すると言われています。そんな事態にならないよう、電力の供給は常に「予備力」をもって運用する必要があり、日本の電力会社は通常8~10%の予備力確保を指針として運営供給しています。

参考:国際環境経済研究所 /図:関西電力

北海道胆振東部地震で電力のブラックアウト 2018年9月6日 (日経新聞記事抜粋)

電力がほぼすべて止まる「ブラックアウト」。日本の電力会社で初めての大きな事故に至ったのは、震源地の近くにある石炭火力発電所、苫東厚真発電所(厚真町)に北海道電力が電力供給を依存していたためだ。同発電所は1、2、4号機の3つの設備がある。経済産業省によると、4号機は地震後の再稼働に向けた作業の中でタービン付近からの出火を確認。1号機、2号機はボイラーが損傷していた。復旧には少なくとも1週間かかる。北電の荒矢貴洋執行役員は同日の記者会見で「そこまで大きい事故は想定していなかった」と語った。問題は損傷だけでなく、3基が同時に止まったことにもあった。最大165万キロワットの発電能力が使えなくなり、北海道の使用電力のうち半分程度の供給が瞬時に消えた。

苫東厚真が機能停止すると他の発電所も次々に止まり、電力会社として初めての「ブラックアウト」に至りました。